先生~あなたに届くまで~

正直何も決めていない。

ただ何でもいいから先生を困らせてみたかった。

先生と私だけの秘密みたいなものが欲しかった。


「まだ決めてないです。
 もし願いを聞いてダメならダメだと言っても
 いいですから。」

「何じゃそりゃ!!
 だいぶ俺に有利だね。」

先生はまた笑う。


「ダメですか?」
恐る恐る先生の顔を見る。


「んぅ。まぁ全部叶えられるかどうか
 わからないけど。
 890点以上見てみたいし。
 いいよ。」


先生が優しく笑った。


本当は無理だと思っていた。

自分でも
何を言ってるんだろうと思ったし。


だけどそんなことはどうでもいい位
嬉しかった。

嬉しさを隠しきれずに
口元が緩みそうで必死に堪えた。


「やっぱり浅川は不思議なやつだな。」

先生が呟くから

「えっ?」と聞き返しそうになったけど


2人を待たせてることを思い出した。


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