先生~あなたに届くまで~
「雪音ぇ。遅かったから心配したよ。
わざわざ参考書取りに行かせて
ごめんね。」
春菜が申し訳なさそうに私の方を見る。
私は笑顔で首を横に振った。
「それにしても遅かったわね。
何かあった?大丈夫?」
早絵も春菜も心配そうに私を見ている。
私はもう一度息をふーっと吐いた。
「2人に話したいことがあるの。
ちょっとだけ時間いい?」
2人は顔を見合わせて
少し驚いた顔をしたけど
すぐに首を縦に振ってくれた。
教科書を置いて中庭に来る。
少し温かい風が吹いていた。
「あのね。
私2人に話したいことがあるの。」
2人は何だろうと心配そうな顔で
私を見る。
「あのね。
私まず2人に謝らなきゃいけない。
私ずっと2人に壁を作ってた。」
怖くて2人の顔が見れない。
ドクドク
ドクドク
心臓が締め付けられる様に苦しいけど
先生の言葉を思い出す。
大丈夫。大丈夫。
そう自分に言い聞かせた。