先生~あなたに届くまで~

「ほい!!席付けー!!」

声を聞くだけで胸が鳴る。

顔を見るだけで心が温かくなる。


「雪音。
 思いっきり顔に出てる。」

早絵はふふって笑いながら
放心状態の春菜を引きずって席に戻った。

私は慌てて顔を手を当てる。


「よし!!テスト返すぞー!!」

このテスト次第...。

日本史は特に勉強した。

「出席番号順で取りこいよ!!
 はい!!浅川!!」

心の準備が出来てないと思いながら
席を立つ。

教壇に向かう間に
春菜と早絵と目が合った。

(大丈夫だよ。)

2人が口パクでそう言うのがわかって
私はふっと笑った。


先生を見る。


先生は無表情だ。

「はい。」

テストを渡される。


点数を見る。





100点。





もう1度先生を見る。

先生はふっと柔らかく笑った。


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