スマイリー
あきらは自由登校の間、毎日学校で自習をしていた。センター試験の点数も良く、さほど勉強しなくても受かるはずではあるが。



そういう性格でなければそもそも帝大レベルの学力を手に入れることは難しい、ということだ。



ちなみに毎日自習に来たあきらだったが、2日に1日は別々に帰った。彼女を送っていくという、大切な使命があるとかないとか。



その彼女である松本美紅というのが有華の親友なのだからこちらとしては気まずくて仕方ない。



だがあきらはわざとかはたまた天然か、進の前で有華の話題は一切出さなかった。ありがたいような気はしたが、あきらが自分と距離を置いているような気もした。



遠慮させているみたいで、こちらも少し気まずかった。いつもはずけずけと物を言うくせに。



「西京と帝二って、結構近いみたいだな。二駅しか違わないぞ。大学行っても遊べるな」



西京大の最寄り駅の二駅向こうが、帝二大の最寄り駅、その名も“帝二大前駅”。大学の名前が駅名になるとは、さすが帝大。
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