スマイリー
その日は本当に平凡な1日で、進たちは淡々とセンター試験の対策問題を解き続けた。



1、2限が国語。3限が数学ⅠA、4限は生物。5、6限は英語だった。各教科、制限時間をもうけて問題を解き、自己採点をする。



6限後は、帰り補習と銘打って、1時間程度の記述試験対策講義がある。



これについては任意出席となっているが、その日の講義は数学だったので、進は出席することにした。



指定された教室には、30人程の生徒がすでに着席していた。



窓から差し込んでくる西陽で、教室全体がうっすらとオレンジに染まっている。



進は教室の後方に座っているあきらの姿を見つけ、隣に座った。



「よう。今日の出来はどうだ?」



自分の右側に座った進に向かって、あきらは右手の手の平を差し出した。



「ほら、黙ってないで早く見せろよ」



進は諦めたようにカバンからプリントを数枚取り出して、あきらの手の上に乗せた。
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