スマイリー
「ま、俺はお前が市川先輩とくっつくもんだと思ってたけど。こっちはこっちで大物だ。うまくやれや」



あきらは進と無理やり肩を組んだ。



「ちょ、やめろよ、落ちる!」



進はあきらの手を振り払って距離をとった。



「いいじゃねえか。親友だろう?」



肩に回していた手を振りほどかれて、あきらが文句を言った。



「いつからだよ」



「あ!お前な、俺がいなきゃ今ごろ袋叩きにされてるんだぞ」



「あきらがいなかったら余裕で逃げ切れてたよ」



「あぁ!もう許さん。ぬいぐるみ返せ!」



「イヤダ」



ぬいぐるみの取り合いを繰り広げながら、進とあきらは大笑いで電車に乗り込んだ。



問題は山積みだ。でも、なんとかなる気がする。あんなにどす黒い空だって、また笑い飛ばせる気すらしてきた。
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