スマイリー
３人は自分たちの昇降口までやってきた。２年生用と３年生用の下駄箱がずらりと並んでいる。



「え？何の話だよ」



靴を自分の下駄箱に入れようとした手を止めたあきらは、怪訝そうな顔をして進にたずねた。



「昼ごはんだよ。１年の教室に食べに行くんだ」



「なんで」



「何も言わずについてきてくれよ、あきら」



「この前は何も言わずに見てたら不良たちに追い回されたんだぞ」



「今度は追い回されないから。頼むよ」



「なに？何の話？」



美紅も話に加わってきた。



沙優の事情を話さずには納得してもらえそうにない。進は諦めて大筋をふたりに打ち明けることにした。



美紅はともかく、あきらには隠し事もしたくないし。



まぁ、あきらは美紅との関係について進にいくぶんか隠し事があるようだが。



それはおいおい聞いてやる事にした。



あきらの焦った顔が目に浮かぶ。
< 78 / 278 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop