スマイリー
昼食会は、意外な盛り上がりを見せた。
有華は美紅を通して沙優と交友を深めているようだ。
どことなく似た雰囲気を持つふたり。きっと話が合うだろう。
一方あきらは、沙優の友人ふたりを相手に、お得意の笑い話や都市伝説を披露して見せ、そのたびに彼女らの笑いを誘っている。
進はその光景を見るのがなんだか楽しかった。1年生のクラスに来て、まるで自分まで若返ったような、妙な錯覚に襲われた。
「あれっ、進先輩」
少し離れた所から、ひとりの男子生徒が近付いてきた。あきらたちは会話に夢中で気付かない。
「正樹。このクラスだったんだ」
杉山正樹(マサキ)は、陸上部の1年生で、進と同じ長距離の選手。つまり進の直属の後輩にあたる。
「どうしたんですか?ウチのクラスに来るの初めてですよね」
「ちょっとな。あ、そうだ。小林は?このクラスだろ?」
沙優と小林淳也は同じクラスのはずだが、何故だか見当たらない。
「あぁ、多分体育館ですよ。早弁して個人練ってのが日課らしいから」
「そっか。ありがと」
さすがはバスケ部エース。持って生まれたスター性だけでなく、裏でも人一倍練習しているようだ。
それならそれで、この光景が見つかったりして話がややこしくならずに済みそうだからいい。
だが、できれば会ってそれとなく沙優の状況を伝えた方が良いかもしれない、とも進は思っていた。
まぁ、淳也なら回りくどいことをしなくても帰りに昇降口かどこかで捕まえればそれで足りる。
そう考えてこの場は良しとした。
有華は美紅を通して沙優と交友を深めているようだ。
どことなく似た雰囲気を持つふたり。きっと話が合うだろう。
一方あきらは、沙優の友人ふたりを相手に、お得意の笑い話や都市伝説を披露して見せ、そのたびに彼女らの笑いを誘っている。
進はその光景を見るのがなんだか楽しかった。1年生のクラスに来て、まるで自分まで若返ったような、妙な錯覚に襲われた。
「あれっ、進先輩」
少し離れた所から、ひとりの男子生徒が近付いてきた。あきらたちは会話に夢中で気付かない。
「正樹。このクラスだったんだ」
杉山正樹(マサキ)は、陸上部の1年生で、進と同じ長距離の選手。つまり進の直属の後輩にあたる。
「どうしたんですか?ウチのクラスに来るの初めてですよね」
「ちょっとな。あ、そうだ。小林は?このクラスだろ?」
沙優と小林淳也は同じクラスのはずだが、何故だか見当たらない。
「あぁ、多分体育館ですよ。早弁して個人練ってのが日課らしいから」
「そっか。ありがと」
さすがはバスケ部エース。持って生まれたスター性だけでなく、裏でも人一倍練習しているようだ。
それならそれで、この光景が見つかったりして話がややこしくならずに済みそうだからいい。
だが、できれば会ってそれとなく沙優の状況を伝えた方が良いかもしれない、とも進は思っていた。
まぁ、淳也なら回りくどいことをしなくても帰りに昇降口かどこかで捕まえればそれで足りる。
そう考えてこの場は良しとした。