デイズ~Dear my mind~
【第1部】
始まり
うち、彩が小6になった春。
妹の海以と、父さんのお母さんであるばあちゃんと3人で東京の地に降り立った。
なんていうか、言葉がでなかった。
羽田空港に着いた時の感想。
・・・とりあえず、ヤバい。
まるで違う世界に来てしまったように、うちはバスの中から外の景色を見ていた。
「・・・ねぇ超広いよ。みーたん、ばあちゃん、すごくない?」
建物の規模が、鳥取とは全く違った。
目を見開いて、終始窓にへばりついていた。
バスから降りて、空港内の長い道を歩く。
進んでも進んでも、まだ着かない。
・・・ヤバい、楽しい。
この時、小6にして初めて横向きに動くエスカレーターを見た。(意味が分からない方は感想ノートへ)
とにかくまぶしかった。
鳥取という田舎から東京という大都会に渡り、その違いを肌で感じた。
すごくワクワクしてる。
すごくドキドキしてる。
しばらく歩いて、ロビーに近づくにつれ、父さんに会えるという喜びが再び湧き起ってきた。
飛行機の機内では感じていたその思いは、空港を見ていたら吹き飛んでしまっていたんだ。