【短編】ずっと大好き…ドキドキB.D…
「お邪魔します」
月曜日は外で食事をして、
火曜日は仕事帰りに浅井の部屋に寄るのが日課になっていた。
「座ってろよ。
みのりの好きなカフェオレ入れてやるから」
浅井に言われて
みのりがソファに腰を下ろす。
高校生の頃から
ブーツやミュールでヒールには慣れていたつもりだったが
さすがに1日中履いているのはつらくて…
足がむくんでいるのがわかった。
「最悪…」
「何が?」
キッチンから浅井がマグカップにコーヒーを注ぎながら聞く。
「…足がむくんじゃった」
おそろいのマグカップは
先月、浅井と一緒に買ったものだった。
うさぎやクマのキャラクターものを欲しがるみのりの意見を無視して
浅井が勝手に選んだマグカップ。
外側に色が付いていて中は白のシンプルなものだった。
みのりには色だけの選択権が与えられて…
赤と黒を選んだ。
「マッサージしてやるよ」
浅井が赤いマグカップをみのりの前に置きながら言う。
カフェオレの甘い香りがみのりの鼻に届いて
みのりが顔を緩ませた。
みのりがうれしそうに飲むのを
浅井が微笑みながら見つめて…
黒いマグカップを口に運ぶ。
部屋にカフェオレとコーヒーの香りが立ち込める。
.