【短編】ずっと大好き…ドキドキB.D…


『浅井さん?

…まだ怒ってる?』


みのりが浅井の機嫌を伺うように聞いてきて…


浅井が短く息を吐く。


「…いや、もういいよ。

飲み会なら仕方ねぇし…


じゃあ、明日終わる頃迎えに行くから…

それからウチ来るだろ?」


『うんっ』


一気に明るくなったみのりの声に
浅井がふっと笑みをこぼす。


『メモリアル休暇っていうのがあってね、
誕生月に有給が1日とれるんだ。

それを明後日にしたから…


だから…その…』


語尾が次第に小さくなったみのりに
浅井が口の端を上げた。


「…だから何?(笑)」


『だから…


だから…』


「なんだよ(笑)」


意地悪に笑う浅井にみのりが言葉を詰まらせて…





『…泊まってもいい?』




やっと聞こえたみのりの言葉に
浅井が満足気に笑う。



「みのりのエッチ(笑)」


電話の向こうでみのりが真っ赤な顔をしているのが
頭に浮かんで…


それを楽しげに笑う浅井をみのりが訳の分からない悪口で
責めた。


『違うもんっ

浅井さんが変な事ばっかり考えてるからそう思うだけだもんっ


浅井さんすぐ意地悪言うからやだ…


あ…でも違っ…嫌いってわけじゃなくて…

そうゆうんじゃなくて…』


みのりのしどろもどろになっている言葉を笑いながら聞いて…




「明日、絶対に忘れるなよ」



『うん。楽しみにしてるね』



ふわふわ漂う風船を見ながら

みのりの声に浅井が微笑んだ。



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