誕生日
「もう12時やし、朝ご飯ちゃうくて昼ご飯やなあ」
机に箸を並べて、笑いながらアタシは洗面所にいる勇馬に声をかけた。
「せやなあ。久しぶりやな、こんなゆっくりした朝は」
「もう昼やけどな(笑)」
洗面所から出てきた勇馬は、お風呂上がりやから髪が濡れてて、なんかちょっとドキッとする。
こんなん思うん、アタシだけやろか?
「朝昼兼用やし、パンやなくてご飯にしたよ」
お味噌汁をお椀に入れて、勇馬のお茶碗の横に置く。
「うん。めっちゃうまそう♪」
こんな朝は久しぶりだった。
最近お互い仕事が忙しく、朝ごはんをゆっくり一緒に食べることがなかった。
というより、2人揃った休みは久しぶりだった。
目の前で、美味しそうにアタシの料理を食べる勇馬。
ほんま、久しぶりやな…。
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