愛恋あいれん〜恋の練習してもいいですか?〜<短編集>
あいつのことを
今日一日中考えていた。

昨日オレの知らない男と歩いてたから
そんなの見ちゃったからオレは情けないけど食事もできないでいた。

一人でいたいのに、
うちの母さん美空の母さんに
おもしろおかしく伝えたんだろうな?


階段をかけ上がってくる足音が美空だとわかる。

オレはベッドに横になりながら、
ドアが開くのを待っていた。


「 もう8時なのに電気もつけないでどうしたの?
風邪でもひいたのかな? 」


オレは言葉を出さないまま美空を見ていた。

美空がオレの額を触ろうとした時に
条件反射で美空の手を払いのけてしまった。

オレはあわてて


「 熱はないから
大丈夫だから
心配いらないから。 」


美空は驚いた顔をしていたが、


「 そっかぁ。
それならいいよ。
何か食べたいものある?
コンビニに行ってこようか? 」


心配してくれる美空の言葉が嬉しくて
自分から払ってしまった美空の手が愛しく思って自分の方へ引き寄せてしまった。

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