愛恋あいれん〜恋の練習してもいいですか?〜<短編集>

オレは琴美の部屋のドアを叩いた。



返事はない。


そっと開けてみたら
ベッドでスヤスヤ眠り姫になっていた。

本人の許可もなく
琴美にキスをした。
ふれるだけの優しいキスを。

まだ起きない琴美に
オレは
またキスをした。


「 おっ、お兄ちゃん…何? 」


「 オレは…
ずっと琴美だけを
大好きなんだよ。 」


「 はぁ?
じゃぁ、お兄ちゃんは
好きでもない人と
キスしちゃう軽い人なの? 」


「 それは…
思い出が欲しいっていうから…
あげた。
でも、
琴美とオレのファーストキスは
もうとっくにしてるから安心しろ! 」


「 えーっ!
それは、いつなの? 」


「 琴美が生まれた日だ。 」


「 そんなの記憶ないじゃん!
ちゃんと記憶に残るキスしてよ。 」


ムキになっている琴美を抱きしめて


「 琴美、
生まれた時から
毎日毎日
琴美への大好きな気持ち増えてるから
心配しないで
オレの彼女でいなさい。 」


キス。


琴美が苦しそうにもがいている。


「 琴美…
これから毎日キスするからな。
キスも二人で成長していこうな! 」


はにかんだ微笑みで
小さく頷いた琴美が愛しくて
たまらなく抱きしめた。


「 一生
琴美だけを
愛していくからな。 」





end
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