愛恋あいれん〜恋の練習してもいいですか?〜<短編集>
オレの部屋
窓ガラスが
とてつもない激しい早さで叩かれている
ベッドで横になっていたオレは
ためいきを1つして窓を開けた。
「 ねぇ、聞いてよ!
ねぇ、どうしてさぁ
なんで男って浮気するの?
ねぇ、なんでよぉ!
ねぇ…
ちょっとぉ…
楽人、聞いてるの? 」
また口から出そうになるためいきを
慌てて押し殺して
とりあえず笑顔を作ってみる。
「 はい、
調音さん聞いてますよ。
いつも真剣に聞いてますとも!
それで…
どうなさいましたか? 」
あまりに冷たく話すオレに
刺すような目でオレをニラミながら
「 もう男ってキライ!
もう人を好きにならない! 」
調音さん、
今回の男もハズレですか?
三ヶ月前も同じセリフ言ってましたなぁ。
調音の男の見る目のなさに呆れつつ
ホントに嬉しかったりして。
「 あのね、
オレも男なんですけど…。 」
「 楽人は、いいの!
楽人は
いつも優しくって
かっこよくって
いつも私の相談にのってくれるじゃん!
イヤな顔しないしさ。
だから楽人に話すとスッキリする。
楽人さま…
ありがとうございます。 」
なんか言うことだけ言ったら
調音は笑っている。
オレの気持ちも知らないでさ。