オレンジ*ロード
40キロメートル.
病院の中はすごく暖かかった
だけど俺の体はそれ以上に冷たくて感覚は元に戻らない
すぐに受付に向かい、彼女の部屋を教えてもらった
彼女の病室は二階の202号室
だけどその後看護婦さんに絶望的な言葉を言われてしまった
『面会時間は8時までなんですけど……』
病院を利用した事がない俺は、面会時間まで気がまわっていなかった
『どうしても無理ですか…?』
ダメだと分かっていながら、もう一度聞いた
受付のテーブルに置いた手は真っ赤で全部の指が霜焼けになっていた
看護婦さんは少し考えた後、電話で誰かに確認をとってくれた
そして、10分程度だったら大丈夫だと面会を許可してもらった
急いで二階に駆け上がり、俺の足は202号室の前で止まる
病室には確かに彼女の名前が書いてあって、俺は静かにドアをノックした