オレンジ*ロード
病院から一歩外に出ると相変わらず寒くて、暖まった体が一気に冷えていくのを感じた
俺は自転車置き場に行き、自転車に乗った
彼女が巻いてくれたマフラーをギュッと強く結び、手袋をしていない左手をポケットに入れる
外から彼女の病室がある二階に目を向けた
彼女はあの部屋でこれから1週間過ごす
清潔感のある部屋だけど、病室だけあって寂しい感じがした
俺は帰りたくない気持ちを押し殺して、自転車を走らせた
40キロの道のりは何故か帰りの方が長く感じた
ペダルを漕げば漕ぐ程、彼女との距離が離れて虚しさが残る
検査入院なんてあまり聞きなれない言葉だけど、本当に大丈夫だろうか?
“心配しないで、きっと大丈夫だから”
今はそう言った彼女の言葉を信じるしかない
家に着く頃には時間は11時30分を過ぎていた
体は疲れているはずなのに、どうしても眠れない
結局眠りについたのは朝方で、すぐに学校に行く時間になってしまった