オレンジ*ロード
俺は家に帰り、色々なプランを考えた
まだ決まった訳じゃないけど、もしかしたら彼女と久しぶりに出掛けられるかもしれない
彼女に無理はさせられないけれど、彼女が喜ぶ事はなんでもしたかった
思い付いたものをとりあえず紙に書き出していると、
途中でふっとある事を思った
俺は学校のカバンから一枚の紙を取りだし、机の上に置いた
それは彼女に渡された伝えようプロジェクトの紙
31日に書くと決めていた紙は白紙のまま
でも俺の心の中では書きたい事は決まっていた
小さな紙に書く彼女に伝えたい事
彼女はそれを見てどんな顔をするだろうか?
それを想像するだけで自然に笑顔になってしまう自分が居た
---彼女はそれから外出する為に、前以上に治療に取り組んでいた
その姿を見た先生も心を打たれ、このまま行けば外出届けを出してもいいと言ってくれた
日付は9月1日
ロビーに伝えようプロジェクトの紙が貼り出される日で
それを二人で見た後で出掛けられるのは最高のスタートだと思った
『まずどこに行きたい?』
俺は彼女に聞いてみた
『どこでも、幸汰と一緒なら』
そう言うと思っていた
俺は彼女の一言でプランを全部取り止めにした
プランなんて立てなくても、その時二人で行きたい場所に行けばいい
一緒に風を感じ、一緒に空を見て、一緒に同じ事を思う
それが最高のプランだと思うから