おうさまげぇむ。
―暁夜side――――――

なんか打ち上げするから桜ノに来い、と強引に誘われ、公園に着くと、先客がいた。

全体を黒でシンプルに纏めた、神流 祇苑だった。
ソイツは、秋桜を見ていた。

ふらりと、神流の前に立つ。すると神流は気付いて、

『こ…こんにちは、椙村くん』

って言ってきた。
俺は一応、

「…こんちは」

って返した。
神流は、俺が飴舐めてるのが意外だったのか、目を丸くしながら

『それ、何味?』

と訊いてきた。

「…オレンジ」

また素っ気なく返した。
そっからは、沈黙。

チュッパチャップスのオレンジって美味くね?俺、好きなんだけど。




チラリと神流を見た。神流はまた秋桜を見ていて、なんか綺麗だった。

――――――――――――ドクン…

不自然に心臓が跳ねた。


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