おうさまげぇむ。
「それでは、王様ゲームを始めます!」
私の出席番号は34。でも男子に合わせて呼ばれるからな…誰だろ?
「まず、1と32、2と45、3と46」
呼ばれた人達は、すでに集まって会話している。
私はまだ、呼ばれてない。
「12と31、13と48、14と34」
呼ばれた!!
14って、誰…?
すると、椙村くんが近付いてきた。
「34って、お前?」
『え、うん…』
「あ、そ。俺14だから。よろしく」
そう言うと、咲良と藤瀬くんの声が聴こえた。
「夜ご飯は8時から、四階のフードコートでいただきます」
「それまでは自由時間!好きに使え!!じゃあ…」
「「解散!!」」
号令がかかると、皆足早に去っていった。
咲良を見れば、藤瀬くんと話していた。
咲良…藤瀬くんが好きって言ってたもんね。
そんなことを考えていたら、不意に右手が暖かいものに包まれた。
びっくりして顔を向けると、椙村くんが
「行くぞ」
って言って歩き出していた。
『あ…うん』
私はバッグを持ち直し、小走りでついていった。
椙村くんは、背が高い。だから私よりも脚が長くて、歩くのが早かった。でも小走りの私に気付いたのか、私に歩調を合わせてくれた。
『ありがと』
「別に」
多分、私は顔が真っ赤だったと思う。