おうさまげぇむ。
椙村くんが両替機の方へ行って数分後…
「カーノジョ♪」
ワックスでガチガチに固めた茶髪ロン毛に、ピアス、腰パンのいかにもチャラ男です。っていう数人の男が、私の肩に手を置いた。
「俺達と遊ばね?」
甘ったるい男性用香水の匂いが鼻をつく。
『いや…』
気持ち悪い。
初めての経験に、私は恐怖で震えていた。
「震えちゃって、かーわい♪怯えなくていぃよ?」
この人達の笑顔が怖い…
誰か、助けて…
椙村くん…
「椙村くん…」
そう呟いた瞬間。
「テメェら、邪魔。
誰の女に向かって口説いてんの?」
低い落ち着いた声が、私の鼓膜を震わした。