おうさまげぇむ。

私は椙村くんに落書きの仕方を教えてあげた。椙村くんは、「スゲー」と感動しながら落書きを進めていく。椙村くんは左利きで、びっくりした。

『ね、椙村くん』
「あ?」
『なんか、性格変わってない?』

そう言うと、椙村くんはクスリと笑った。

「そうだな。確かに違ぇな。
学校の俺は、偽物。
今の俺は、本物。
本物の俺は、俺様だよ?」

クスクスと笑いながら、続ける。

「なに、びっくりした?」
『うん』

本当にびっくりした。
クールじゃなくて、実は俺様なんて。

あ、女子で知ってるの、私だけ?なんか、特別みたい!


椙村くんは落書きが綺麗で速くて、これまたびっくりした。
そして…最後の一枚。

あのキス写真に手を付ける。

『あ…』
「なに?」
『それ、私がやろうと思ってたのに』
「残念だな。お前も女子の課題、落書きしてんじゃねぇか。俺がやる」

そう言って、落書きを初めてしまった。

…俺様。




でも、俺様な椙村くんも良いかも♪
あれ、なんかMみたいな発言?これ。

ま、いっか。
惚れた弱みってヤツよ!
きっと!

< 29 / 38 >

この作品をシェア

pagetop