おうさまげぇむ。
プリ機から出れば、前に咲良と藤瀬くんが並んでいた。
『あっ、咲良!』
「あ~祇苑!」
なぜだか咲良と藤瀬くんの回りには、幸せオーラが漂っていた。
『咲良…藤瀬くんと何かあった?』
「えへへ…あのね、私達…付き合う事になったの!!」
『え!?』
「告白したらOKでね、もう超ラブラブ♪」
『おめでとう~』
羨ましいな~。
私達は…椙村くんが分かんないから、告白できないよ…。
気付けば二人はいなくなっていた。
『あ、れ?二人は?』
キョロキョロと周りを見渡してもいない。一体どこに…
「おい、神流」
『あっはい!?』
「お前、この俺様が何回も名前を呼んでんのに、シカトか?オラ゙ァ」
『ひっ!?』
ヒィィ…
違います、シカトじゃなくて、聴こえなかっただけ…
「ふぅん?聴こえなかったんだ?耳元で呼んだのに?」
『キャ…』
椙村くんの顔が近づいてきて、私の顔は、真っ赤になってしまう。
恥ずかしすぎて俯くと、「その顔、禁止」と言って、いつの間にか完成したプリを持ってサービスカウンターに向かってしまった。
『あ、ちょっ、待ってよ!!』
私はしばらくボーッとしていたが我に返り、追いかけた。