おうさまげぇむ。
「おい、神流」
『む…なぁに?』
「なぁに? じゃねぇだろ。ほら、プリクラ」
そう言って、私にプリを差し出す。
身長差でプリの表は見えなかった。
『わ、ありがとう』
私はプリに手を伸ばす。
しかし、ひょい、と交わされてしまった。
『椙村くん………!?』
次の瞬間、身体がフワリと何かに包まれる。
『………………え?』
私は椙村くんに抱き着かれていた。
骨張った細長い指が、私をしっかりと、優しく包む。
耳に吹き掛けられる吐息は、妙に色っぽかった。
「神流…」
椙村くんが私の耳元で、低く囁く。
私の顔は、また真っ赤になった。
そして椙村くんは、その声音に甘さを足して、さらに言葉を紡ぐ。
「I love you」