おうさまげぇむ。
『っ、何するの、椙村くん』
「へぇ?まだ言うんだ?そんなにヤられたいの?」
『違ッ…そんなんじゃ、ない!』
慌てて私は首を振る。
上から椙村くんの甘い声が降ってきた。
「じゃあ呼んでよ。暁夜ってさ…」
私は顔を真っ赤にしながら言った。
『き……きょ、や…』
「ん?何?聴こえない」
『暁夜…!!』
「良くできました」
椙…暁夜は、私の頭を撫でる。そして顎を持ち、目線を合わせた。
「ご褒美」
ゆっくりと顔が近づく。
そして…二人の唇は重なった。
酸欠になりそうで、暁夜の胸を叩く。
『プハッ………………ん…』
唇が一瞬離れ、息が吸えたと思ったら、また塞がれてしまった。
『んぁ……………………』
しかも次は、深いし甘いし濃厚な…
『………ぁ…ん…』
ヤバいって!!
こんなキス初めて!!
『………………ん……』
――――――――――――チュッ
わざと音を立てて離れる唇。銀糸がお互いを繋いでいた。
『ハァ、ハァ…暁夜……』
涙目で暁夜を見上げる。
「何?」
しかし、暁夜は息を一つも乱さず、余裕の笑みを私に向けた。
『なんでそんなに余裕なの…』
「さぁ?」
暁夜は私の体勢を直し、立ち上がった。
「さぁ、行こうぜ、晩飯」
そう言って私に手を差し出す。
『……………………………うん!』
その手の上に私の手を重ねる。
私達はそのまま並んで歩き出した。
end.