smooch【BL/完結】
「食べていい?」
「苦いけど。苦いからあげるんだけど」
いい訳なのか照れ隠しなのか。
目線をそらしながら言う彼を見ながら、1つ摘まんでみる。
持ち上げた途端にパラパラと粉が落ち、苦いという味の予想は大体ついた。
「じゃあ、いただきます」
口に運ぶ姿を、彼が恐る恐ると言った様子で見ている。
予想通り、まずは外側の苦さが際立っている。
噛んで見ると、まだ冷たいのに柔らかく、にちゃりとした食感だった。
多分、水分が多い。
外は苦いけれど中身はちゃんと甘い。