smooch【BL/完結】
「そういえば前から思ってたんだけどね」
「何?」
「君、どう考えても
煙草売ってもらえないよね?」
彼は一応高校生だが、下手すると
中学生に思えるような容姿をしている。
……そもそも高校生にも売れないか。
「僕、買ってないし」
「じゃあどうしてるの?」
「母さんの恋人の買い置きくすねてる。
大量にまとめ買いしてたから。
多分気付いてないよ、あの人達」
‘達’って事は自分の母親も含めてか。
……多分彼が喫煙してるなんて、
思ってもみないことだろう。
俺だって偶然居合わせなければ、
普段の生活態度と合わせて、
絶対にありえないと笑い飛ばすだろう。
初めて見た時には、そんなまさかなと、
屋上の扉を開け閉めして、2度見した。
それから話をしてみると、
彼は普段の優等生っぷりからは程遠い
悪ガキの、いや、
ませガキか?本性を表した。