smooch【BL/完結】

「そうしていれば、可愛いのにね」


「……馬鹿じゃないの?」


不満気な目でこちらを見てくる。
そんな顔も、俺は可愛いと思うのに。


可愛がられたいから、好かれたいから。
だから彼は、
優等生のふりをしているのだろうか。

それとも。

構われたいから、
煙草を吸ったりしているんだろうか。


どちらが本当なのか、
俺にはまだわからない。

だけど、


「好きだよ」

「な、何いきなり言ってんの?
 馬鹿じゃないの?」



「君、今日は馬鹿って言ってばかりだね」

「せんせーが馬鹿な事すっからじゃん!」


不機嫌な表情を作りながらも、
笑みを隠しきれていない。


まだよく分からないけれど。
彼の笑顔を引き出す位なら
俺にも出来るんじゃないだろうか。


< 19 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop