smooch【BL/完結】
「そうしていれば、可愛いのにね」
「……馬鹿じゃないの?」
不満気な目でこちらを見てくる。
そんな顔も、俺は可愛いと思うのに。
可愛がられたいから、好かれたいから。
だから彼は、
優等生のふりをしているのだろうか。
それとも。
構われたいから、
煙草を吸ったりしているんだろうか。
どちらが本当なのか、
俺にはまだわからない。
だけど、
「好きだよ」
「な、何いきなり言ってんの?
馬鹿じゃないの?」
「君、今日は馬鹿って言ってばかりだね」
「せんせーが馬鹿な事すっからじゃん!」
不機嫌な表情を作りながらも、
笑みを隠しきれていない。
まだよく分からないけれど。
彼の笑顔を引き出す位なら
俺にも出来るんじゃないだろうか。