smooch【BL/完結】
「だからやめろよ!」
髪をかき回すのを再開すると、
やっぱり彼は暴れだした。
どうせ勝てないのは
分かりきっている癖に。
「……何?」
頭に乗せた手を止め、
もう片手で顎を押さえ、
彼の頭を固定した。
「だから何なんだよ?」
その状態で顔を近づけても、
彼はよく分かっていないようだ。
「せんせー?」
不思議そうにしている彼に、
そのまま口づけた。
彼は、固まっている。
俺以外の車にも乗るなんて、
嘘なんだろう?
「本当に、黙ってれば可愛いのに」
無言で睨みつけてくる目とか、特に。
【自宅にて 終】