smooch【BL/完結】
「何笑ってるんだよ」
「やっぱり可愛いなと思って」
そう答えると、
彼はますます不機嫌そうに顔を歪めた。
彼は、俺も嘘を吐いているとでも
思っているのだろうか。
彼は俺に可愛いとか言われるのを
本気では嫌がっていないのを知っている。
「先生のバーカ!」
またそれか。
本当に語彙が少ない子だ。
「ありがとう。
褒められてると受け取っておくよ」
だって彼は‘嘘を’言っているんだから。
「にやけてるんじゃねえよ、エロ教師」
「聖人君子とでも受け取るよ」
「人格そんなに優れて無いじゃん」
「じゃあ聖人賢者にしとこうかな」
「……変わってないし」
呆れたような顔で呟いた。