smooch【BL/完結】
「でも君は俺の事嫌いなんだよね?
じゃあしょうがないなー、」
もう帰る?嫌いなんだもんね?
家まで送るよ?とか言いかけ
立ち上がった瞬間、
彼の手は俺のシャツの裾を掴んでいた。
「………………」
「………………」
「……何か言いたい事は?」
シャツを掴んだままの手に
俺の手を重ね、座りなおす。
彼の口はまだ開かず、
手も開かず。
俯いたまま、握った手に力を込めている。
それで言いたい事伝われば苦労は無いよ。
俺には伝わってるけどさ。
放って置いても何も変わらないので、
助け舟を出してあげよう。
指をいくら撫で回しても文句を言われない
触り放題も楽しいけれど、
ちょっと可哀相だ。