smooch【BL/完結】
「俺だってね、ちょっとビックリしたよ。
でも考えてみれば、
そういや今日は4月1日だったなって
嘘だろうなって気付いたけどさ。
君、俺に嫌いって言われたら嫌だろ?」
そう訊ねると、彼はまた俯いた。
「俺だってね、傷付いたよ?」
嘘だけど。
だって彼は解りやすすぎる。
驚く暇も、
傷付く暇さえ無かった。
そもそも家に来た瞬間に
嫌いって言われる意味が解らない。
あまりにも突然すぎるし、
何かしら言ってくるだろうなと予想は
してたから爆笑を堪えるのが大変だった。
つまり、俺は今少し嘘を吐いている。
そして結果的にさっきも、嘘を吐いた。