smooch【BL/完結】

念のためもう片方の腕を押さえつつ、
顎を掴んだ手の、親指で唇を撫でる。

それに彼は視線で放せと訴えかけてくる。


「ちゃんと言ったら、放してあげるよ」



そのまま彼は考え込み――覚悟を決める為
(そんなに気負わなくてもいいだろうに)
黙り込んだままなので、
しばらく唇の感触を楽しむ事にする。



少しかさついているソレは
けれど柔らかいので、軽く押すと楽しい。



固く結ばれた上下の隙間に
指を押し込むようになぞってみる。


押し開かれそうになった所を、
気付いた彼が力を入れて阻止する。

なので、軽くなぞるだけで止め、
また撫でたり押す程度に戻すと、
彼の唇から力が抜けた。

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