smooch【BL/完結】
「…………ふきれふ」
まともに発音できる訳も無く、
思わず笑いそうになるけれど、
本日数度目のそれを堪える。
「よくできました」
彼の腕を押さえていた手を外し、
頭を撫でると、彼は嬉しそうに目を細めた
指、まだ口の中なのに。
今は口に気がいっていないのか、
口内の温もりを味わいつつも、
俺はちょっと困っている。
……この後どうしよう。
引き際を見失った。
彼の言うとおり、
俺は馬鹿なのかもしれない。
【四月馬鹿 終】