smooch【BL/完結】
7.もしもの未来
SIDE:生徒
あれから、4年が経った。
僕が進学してこの街を離れてから。
短かったような気もするし、長かったようにも感じる。
あの人は僕の担任だったから、
もちろん進路相談も彼にした。
近くの大学と地方の物とで悩んでいても
どちらにも個人的な意思では、
賛成も反対もせずに、ただの先生だった。
……まあ、解ってはいたけれど。
結局専攻したい分野のある所で
一番雰囲気があっていそうな地方への進学を決めた。
荷造りを済ませても、最後まで
自宅より彼の家に居る時間の方が長かった
これで終わりなのだろうか。
それなら1度だけでも。とねだって
初めて合わせた肌は、やっぱり僕が望んでいたもので、泣きたくなった。
次の朝、扉を開けて
さよならと口を開こうとした時、
僕よりも先に彼は
『いってらっしゃい』と、そう言った。