smooch【BL/完結】
食器を洗い終え、何も無いとは思うけれど
一応様子を見に風呂場へと足を踏み入れた
「あ、あと終わるから。今出るよ。
ついでにお湯も入れといた」
くぐもって聞こえるから、
彼への返答をしようとドアを開けた。
「……っていうか君は
そのままお風呂入っちゃいなよ」
ここでも不器用とは。
彼は、自分にも大分水をかけていた。
そのまま放置したら、風邪を引くだろう。
俺の貸していた服なのが、
まあせめてもの救いだろうか。
彼の物だったら、
乾かすまで外に出る服が無い。
……洗剤もついてるようだし、
洗った方がいいかな?
そもそも今日も泊まるだろうから
服が無くても別にいいのか。
「家主が一番風呂だろ?」
彼はまた時々、変な事も言う。
「じゃあ、一緒に入ろうか?」
試しにそう言ってみると、
彼は顔を赤くしてえ、え、と、どもり
その後少し考えて、
「……背中流すから」
と、頷きながら言った。