smooch【BL/完結】


ので、ちょっと勝負に出てみようと思う。


うっとりといった感じで
まだ撫でられている彼の顔を上向かせ、
被さるようにして、キスをした。

少し驚いてはいたけれど、
唇に舌を這わせると、従うようにそれを開いた。

……いつの間にこうなったんだっけ?
まあ、全部俺がそうしたんだけれど。

それにしても、今日の彼は大人しい。


まさか勤労感謝の日効果なのか?
だったら秋に来る本物が楽しみだ。
ちゃんと後で教えとかないと。

そんな事を考えながら
歯列をなぞると、これにもまた
大人しく、より口を開いていった。

彼は指だろうと舌だろうと、
上顎をくすぐられるのに弱い。

舌先でそろそろとなぞると、
弱々しい吐息がこぼれた。

そして今度は彼のものの裏に舌を這わせて
そのまま誘い出して、絡め合う。

ごくり、と唾液を飲み込むのが解った。

しかし舌を吸ってやるとすぐに引込められたので今度は軽く、唇を吸い上げて
それからようやく解放した。


彼の顔をみると、頬は火照っているようで
さっきとはまた違った方向にうっとりとしている。

その顔を眺めながら
また頭に手を乗せているとハッとしたのか
俺と若干距離を取るように湯船の片側に寄った。



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