smooch【BL/完結】
髪を梳きながら緩やかなカーブを描く額や
鼻の頭に唇を落としていると、
目蓋に入った力が抜けていき、
睫毛が動いているのが目に入った。
それから少しずつ開いているようなので、
ついでに眦にも口づけた。
するとビックリしたようで、
予想とは逆に、大きな瞳が見開かれた。
彼の髪も瞳も、俺よりも色素の薄い色で
とても柔らかそうで気持ち良さ気に見える
眼球には触れられないので、
代わりに睫毛を、指でそっとなぞる。
びくりと少し身を固めたけれど、
危害を加えられない事は分かりきっていて
だからなのか、すぐに力が抜かれたのが見て取れた。