smooch【BL/完結】
11.誕生日
朝、目が覚めると、
自分よりも高い温度を胸に感じた。
抱き着かれている。
そう解った数秒後、
またしても浮かぶのは疑問。
だって、彼が自分から進んで来るなんて。
確かに昨日も一緒に寝たけれど、
その時はこんな状態じゃなかったはずだ。
俺は彼の方を向いていたけれど、
彼は背中を向けていたはずだし。
なのに今は、隣の枕は使われて無くて、
黒より薄い色の頭は、
俺の首より下の位置に埋められている。
一体全体、何事だ。
……だけどまあ、とりあえず。
片腕を回して、より引き寄せてみた。
すると相手の体が強張って、彼が起きている事に気が付いた。