smooch【BL/完結】
俺が起きている事、知っているだろうか。
知っていたなら、抗議するだろうけど。
折角だから、楽しませてもらう事にしよう。
密着具合と同じく、いつの間にか
腕枕をしていた右腕の、掌で頭を撫でる。
もう片方では抱きしめたままだ。
気づかれていなければ
俺はまだ寝ている設定の為、
動きはあくまでもゆっくりと。
無意識の、ふりで。
抱きしめた左腕で、背中を撫でる。
それを彼は、止めようとしない。
背骨を辿るように、手を滑らせる。
少しずつ降りていくそれは、
とうとう腰までたどり着いた。
それでも、これといった抵抗が無い。
寝ていると思っているのか、
それとも知って、甘受しているのか。
……さすがに無意識では、しないだろう動きをしてみる事にした。