smooch【BL/完結】
腕が服の中に消えて、
続いて頭も見えなくなる。
そして代わりに、胴体の肌色が見えた。
だけどすぐにスポッと脱いで、
出てきた彼の視線が、まっすぐに俺のものと合う。
見ていた事は、当たり前にばれている事だろう。
すかさず俺は、予め持っておいた、
彼が着る予定のTシャツを手渡す。
悪態をつくはずだった彼の言葉は詰まり、
数秒後に吐き出された。
「見てんなよ、エロ教師!
でも、どうも!!」
ありがとう。まではいかなくても、
お礼をしなければ気が済まないらしい。
変に律儀で可愛い。
だから『自分も見てたじゃないか』とは、言わずにいてあげよう。