smooch【BL/完結】
ゆっくりと、目を閉じながら
彼の唇が俺のそれへと重ねられる。
くっ付いた瞬間、ひんやりと、
いつもとは違う感触で何だか新鮮だ。
触れただけのままで少しじっとしていると、いつもと同じ、馴染んだ体温に変わる。
押し付けるように密着具合を高めて、
塗って?というのをアピールしてみると、
閉じた時と同様に、ゆっくりと瞼を開いた。
目線も重なる。
何かを言いたげな視線を投げかけられる。
だけどそれには、俺も同じく返す。
誕生日だし、頑張ってよ。
ある種のにらみ合いになったが、
諦めたのか、また瞳は閉じられた。
そして代わりに、唇が開く。