smooch【BL/完結】

軽く食むように、上唇を挟まれた。

どうやら慎重にやっているようで、
浅く、リップクリームを塗った表面辺りでしか触れてこない。

塗るという名目なんだから、
それが当然と言えばそうだけど。


やわやわと揉むように塗り広げて、
同じように下唇にも繰り返して、彼の唇は離れていった。

若干浮かしていた腰も戻り座った。


変わらず無言だが、
彼の瞳には、達成感のような物が浮かんで見える。

やってやったぜ、とか、そんな感じの。


満足げでもあるけれど、忘れないで欲しい。


もう1本、残ってるよね?


< 78 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop