smooch【BL/完結】
軽く食むように、上唇を挟まれた。
どうやら慎重にやっているようで、
浅く、リップクリームを塗った表面辺りでしか触れてこない。
塗るという名目なんだから、
それが当然と言えばそうだけど。
やわやわと揉むように塗り広げて、
同じように下唇にも繰り返して、彼の唇は離れていった。
若干浮かしていた腰も戻り座った。
変わらず無言だが、
彼の瞳には、達成感のような物が浮かんで見える。
やってやったぜ、とか、そんな感じの。
満足げでもあるけれど、忘れないで欲しい。
もう1本、残ってるよね?