smooch【BL/完結】
塗った場所を全部舐めとって。
正しい使い方ではないけれど、
文句の1つも聞こえてこないし、いいだろう。
離れた途端に、胸に顔を押し付けてきた彼の頭を撫でて、これで俺も満足。
控えめに服を握る手に重ねてみたりして、彼が落ち着くのを待つ。
中々慣れないけれど、
その方が今はいいと思う。
まだ子供で、十分。
そんな彼の誕生日には何を贈ろうか。
こっそり計画を建ててみる。
ふと時計を見れば、
もうとっくに午前0時を回っていた。
今年はいい誕生日だった。
幸せを噛みしめながら、思うままに彼を抱きしめてみた。
「……苦しいんだけど」
「まあ、いいじゃないか」
まだ誕生日を装いながら、
そのまま寝転がって、布団も引き上げてみたりする。
抵抗は特に無い。
どうやら朝まで誕生日特権は有効らしい。
腕の中の存在は、まだ大人しくて、そして温かい。
本当、幸せだ。
【誕生日 終】