smooch【BL/完結】
それから数日後。
彼は何かの雑誌を熟読していた。
背後に回って覗き込むと、
飛び込んできた見出しの文字は。
『年末!大掃除・大特集!』
危ない。
そう思ったから声をかけた。
「こまめにしていれば、
そんな慌ててやったりしなくていいんだよ」
「でもそんなにしてなくない?」
「……今日からするよ」
雑誌の内容からするに、母親の物を持ってきたんだろうか。
記事に沿って何かされると、
重曹をぶちまけて、何故だか自分が粉まみれとかなりそう。
絶対止めないと。
とりあえず風呂場の鏡でも磨いて来る。と、宣言して立ち上がった俺の後をついてくる彼の姿に、そう決意した。