smooch【BL/完結】
溶けたチョコに、隣で温めた生クリームを注いで混ぜる。
疲れたでしょ、交代しようかと言われ、母さんと代わった。
「ところで、何作ってるの?」
今更ながらにそう尋ねてみた。
「トリュフよ」
何か丸いやつか。そうだったんだ。
さっきの本に作り方が載っているだろうかとページを捲る。
……あった。
けど、あの中身はすでに色々と間違ってる。
いいか、いいとしようか。
どうしても無理があったら作り直せばいいんだし。
どうにかなるさ。なってほしい。
そう願いながら本を閉じる頃、母さんは生クリームの絞り出し袋にボウルの中身を詰めていた。
そしてそれをシートを敷いたまな板の上に小さく絞り出していく。
ちなみに家のまな板は、薄くて半透明のやつだ。
小さめだけれど、何故か何枚もあるから、こういう時に便利そう。
っていうか2枚以上使ってるの初めてだ。