菊の花
「父上、お呼びですか?」
泰国の頭主の次男である将は父に呼ばれていた。
「あぁ」
二人は向かいあって座る。
「実はお前に婚約者ができたのだ」
父は嬉しそうに話す。
「こっ・・・婚約者・・・ですか・・・?」
将は困惑した表情を浮かべている。
「将、お前は嬉しくないのか?」
「いや・・・まぁ、嬉しいです」
将は照れながら父に話す。
「大変気前がいいお姫様で美人だそうだ。」
そこでいったんきる。
「で、明日、已の刻に藤国の城で見合いがあるから行ってこい」
「はぁ・・・」
納得のいかないが渋々といったような返事をする。
「そうそう、桔梗も連れて行けよ」
「いや、普通、連れて行くでしょう」
城はそう言って父の前を後にした。