菊の花
──翌日──
「行くぞ、桔梗」
珍しく正装をした桔梗を横目で見て将は言う。
「はい、将様」
そう言うと二人は婚約者が待つ城へと牛車で向かった。
「それにしても広い国だな・・・」
牛車の中から景色を見てボソッと将が呟く。
「我が泰国の3倍の大きさを誇る国ですから」
桔梗は笑いながら将に言う。
「あそこのようですね」
桔梗は将の目線が大きな城を捉えているのを見て言った。
「大きいな、おい・・・」
将はしろを目前にして顔を引きつらせた。