菊の花


「城の近くに牛車が近づいております」

清煉は抑揚のない声で紗羅に告げる。

「そう・・・もうくるの?・・・ねぇ」

「何でしょうか」

「清煉はこの婚約・・・どう思うのかしら」

沙羅は見合いを行う部屋から城下を眺めながら尋ねる。


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