菊の花
「おい桔梗!沙羅姫と親しく話すな!」
将は声をあげる。
「将様・・・男の嫉妬は見苦しいだけですよ」
桔梗は呆れながら将に言う。
「!?」
「ふふふ、仲がよろしいですね」
沙羅はそんな二人を見守っている。
「・・・沙羅姫」
将は沙羅に真剣な表情で向き直る。
「・・・な・・・なんでしょうか」
沙羅は将の真剣な表情に思わず唾を飲み込む。
「始まりはあまり良くなかったと思います。でも、俺は今、沙羅姫を愛しています。きっと誰にも負けないくらい」
「・・・!?」
沙羅はいろいろな意味でびっくりして言葉がでない。
「とんだスケコマシですね。聞いている方が恥ずかしくなりますよ。沙羅様、よければ何か罰でも与えましょうか?」
桔梗は眉間に皺を寄せて将を見ながら沙羅に尋ねる。
「また今度にしておきます。」
沙羅はにっこり笑って桔梗に言う。
沙羅の顔には鳥肌がたっていた。
「解りました。次回は必ずやります」
「お願いします」
「あの・・・何なんですか?酷くないですか?」
将は捨てられた子犬のような目で沙羅と桔梗を見る。
「将様、寒いですわ」
沙羅は容赦ない一言を将に投げ、将は撃沈した。